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BLACK SWAN MOMENTS 10/13

THE HIGGS BOSON -ヒッグス粒子-

 

"LHCはディスカバリー・マシンなのです"

CERN所長ロベール・エマール

 


2012年7月4日水曜日、CERN大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の作業チームより、質量領域126 GeV付近で新しい粒子が観測され、伝説的なヒッグス粒子が初めて垣間見えたと信じられる、という発表がありました。このブラック・スワン・モーメントは、物理学において、長く深遠な謎とされていたものを解き明かすための大きな一歩となっています。LHCは、宇宙と世界についての私たちの理解を、過去から現在にいたるまで、絶えず一変させてきました。では、どのように変えてきたのでしょうか?

ヒッグス粒子の存在が検出されるおよそ4年前、世界最大のマシンである大型ハドロン衝突型加速器が、全周およそ27キロという長いトンネルで陽子ビームを衝突させるのに初めて成功しました。世界最大の粒子加速器を立ち上げるのは、単純なことではありません。数千にもわたる、さまざまな要素が完璧に連動しなければなりません。1秒の10億分の1未満の単位で各要素のタイミングを合わせなければなりません。ヒトの髪より細いビームを正面衝突させなければなりません。LHCが、「歴史上もっとも複雑な科学実験」と呼ばれているのも、もっともなことなのです。

 

"素晴らしい瞬間でした。宇宙の起源と進化についての理解が新たな時代に突入するのが楽しみでなりません"

(LHCの立ち上げについて)LHCプロジェクト・リーダー、リン・エバンス

 

加速器の内側では、2つの高エネルギーの粒子ビームが、地球外の宇宙より冷たい、摂氏マイナス271.3度に冷却された超電導磁石によって、加速器リングを周回するように誘導されます。ビーム同士を衝突させる前、2つの異なったトンネルで磁石がそれぞれのビームを誘導し、光に近い速度が出るようにします。しかし、粒子ビームを完璧に衝突させるのは、言うまでもなく、簡単なことではありません。粒子はとても小さいため、衝突させるのは、10キロ離れた2つの針をそれぞれ光の速度で移動させ、完璧な中間地点で衝突させるようなものなのです。

2012年の運命のその日、ヒッグス粒子であることを示す証拠が初めて発見され、ヒッグス場が実際に存在しているかもしれないということが示唆されました。ヒッグス場は、素粒子に質量をもたらす構造、つまり宇宙の基礎的要素であると信じられています。ヒッグス粒子の発見は、質量がこのように交換されたことの証明となるでしょう。この世紀の発見は、それ自体がブラック・スワン・モーメントであるのですが、実際には、これからの長い過程の第1歩に過ぎません。ヒッグス粒子は、通常の物質を理解するパズルの最後のピースになるかもしれませんし、目に見えない、暗黒の宇宙を理解するための道しるべになるかもしれないのです。

今後は、見つかった粒子が実際にヒッグス粒子であるということを証明するために、発見の際に収集された、膨大な量のデータを処理する必要があります。しかし、CERN研究所には、すべてのデータを現場で処理するための機器も財源もありません。この問題を解決するカギとなったのは、過去のブラック・スワン・モーメントでした。ワールド・ワイド・ウェブは1989年にCERNのティム・バーナーズ・リーが発明したものですが、この技術を応用したワールドワイド・コンピューティング・グリッドによって、1万2,000人以上の物理学者で構成されたコミュニティ全体が、ほぼリアルタイムでLHCのデータにアクセスできるようになったのです。

ヒッグス粒子の検出は、CERNにおける数多くの発見の1つに過ぎません。CERNは物理学とコンピューティング世界の発展に数知れない貢献をしているほか、物理学と医学の研究者たちは、ガン治療で反陽子を活用するための実験を進めています。これは、CERNだからこそできることなのです。世界中の科学者たちがコラボーレートできるハブ的な存在となっており、さらに大型ハドロン衝突型加速器のような先端技術への自由なアクセスが実現していることが、さまざまな分野の素晴らしい発見に結び付いているのです。異なった科学分野の科学者たちが連携することは、発見の数を増やしているだけではなく、現実世界の疑問や問題の解決にも役立っています。

ほとんどの科学的発見と同じように、LHCとCERNが人類に今後もたらしてくれるものを予測するのは、ほぼ不可能です。しかし、わずか6年のうちにCERNの研究成果が大きな影響をおよぼし、科学の世界を一変させているのも事実なのです。